木のフレーム工事が大凡完了したので、本日はyohakuメンバーの皆様と今後の使い方の打合せをしてきました.
屋外のフレームとC棟奥の壁の点検口の施工も確認しました.屋外フレームは今後の塗装に向けて、仮養生しています.
また、本日は大和田の実家から借りてきた古生地を持ってきました.
先日、代表の渡辺さんからこの場所を呉服屋さんのようなものにしたいという考えを聞いて、
現代的な生地に加えて、古い生地や着物、歴史を一緒に展示、販売、新たにデザインし直してはどうかと考えました.
大和田の実家は、現在は古美術商と私立美術館を営んでいますが、もともとは呉服屋さんをしていたという事もあり、古い着物や反物がたくさんあるそうです.
現在ではあまり使い道が少なくなってしまい、正統な価値で売り買いされなくなってしまったとても素敵な生地達ですが、yohakuさんのこの場所であれば、また何か新しい形で新しい価値を生み出していってくれるのではないかと考えています.
本日は、これからのお店のあり方、どういう風に活用していくかを打合せしつつ、このフレームと布を使ってどんなことができるか、思い思いに実験をしていきました.フレームに沿って布をかけていくだけで簡易的な部屋のような空間ができます.
フレームが立ち上がり、渡辺さんの呉服屋というキーワードを聞いて再度イメージを膨らませて、1/20の新しい模型も作成しました.
組柱に設置されているスペーサーを利用し、梁をかけて、板を設置して棚を作ったり、カウンターや机を作ったり、移動式の畳と合わせると文机になったり、柱を起点として手前側に棚を作ったりしています.
元々小さな洗面台が設置されていた場所には、新しくシンクを設置して簡易的なカウンターを作って、上部にはオープン棚を設置するというような使い方もできるのではないかという模型です.
模型を作っていて、気がついたのですが、フレームを利用して、小さな看板も簡単に設置することができそうです.
フレーム毎を小さなお店の集合体としてマーケットを開催することなんかもできそうですね.
我々は、設計者としてこの木フレームを設計しましたが、模型で点景を入れている時は、一人の使い手として、このフレームをどう使ってやろうかと考えながら作っています.
我々が考える空間の創造というのは、設計した時点(作った時点)で終わるものではなく、その後 ”使う” ということでも多くの創造性もしくは創造的思考(試行)が必要であり、そうした作り手の創造性と使い手の創造性が互いに補完し合い、高め合う事によって、より良い空間に向かっていくと考えています.(我々はこのような考え方を、空間に限らず、ファッションやプロダクトにも応用していきたい!)
設計者(デザイナー)、施工者(生産者)、施主(クライアント)という立場的な垣根、業界的な関係性を超えて、全員が一つくり手、一使い手として、それぞれ創造性を発揮できる、そんな場所を設計したいと思っています.
この模型はほんの一例なので、今後yohakuの皆様が実験を繰り返しながら、様々な活用方法を発見して行き、良きつくり手であり、良き使い手である状態が続いてくれると毎回来る度に楽しみになりそうですね.
話題になったお店や行ってみたかったお店は、一度行ってみて素敵な所だなと思っても、
それから再び訪れるか、何度も通いたくなるかというと、とても難しいと思います.
でも毎回何か違う発見があって、どんどん進化していくお店があれば、家から遠くても、用事がなくても何度も訪れたいと思える気がします.
そんな場所になるといいですね.
梁を使って布を垂らしてみました.
帯は目の高さに垂らして飾る方が、柄がしっかり見えるみたいです.梁に天蓋のように布を掛けてみたり、柱に巻いてみたり、つかみ取り?をしてみたり…次々といろんなアイデアが生まれていきます!
角で斜めにかけてみるとまた平面形が変化してきます.床に布を敷くだけでも、市場のような雰囲気になります.腰壁ラインで布を巻くだけでも仕切りが簡易的にできます.
梁もダブルになっているので片方に通すと、カーテンのようにも活用できます.そこから中央の空間の天井を作ったりもできそうです.まずは、模型で作っていたものをスターターセットとして、準備して、少しずつyohakuの皆さんが遊びながら活用していってくれるでしょう.
スタートは久留米絣とうなぎの寝床のもんぺ展とyohakuさんの展示を行う予定だそうです.
Soi 井上