新しいプロジェクトの視察のため、ゴールデンウィークを使って、浜松出張です.以前少しだけお話しを聞いていた案件で、いつもお世話になっているカメラマンの大塚敬太くんのご実家が浜松に持っている空き地に賃貸戸建住宅を建てる計画です.
敷地は、浜松駅から車で10分くらいの所です.徒歩だと20分程度ですが、浜松は車社会のため、そこは特に問題ではなさそうです.間口は約9MあるL字型の敷地です.
敷地までの前面道路、アプローチが少し狭いです.
敷地を見た後は、大塚家の物件(この他にも市内に何個か不動産を所有されてます.)を管理している不動産屋さんのオフィスにて最初の顔合わせをしました.
都内での我々の活動をお話し、浜松の賃貸物件の現状や抱えている問題等をヒアリングしました.
今回は、戸建賃貸住宅ということで、
更新頻度やメンテナンスコストばかりかかってしまうような賃貸物件ではなく、
なるべく長く住み続けられて、古くなることでより価値があがっていくような賃貸物件のあり方を模索しようということになりました.
賃貸の面積と価格、設備の新旧で判断される状況に疑問を感じていたので、賃貸物件を考えるいい機会になりそうです.
一通り打合せを終えた後は、浜松の街を散策です.まずは、KAGIYAビルへ.
ここは築50年以上のビルの雰囲気を活かしつつ、クリエイター&ワークスペースとして2012年にオープンしています.個性的で魅力的なお店がたくさん入っています.
そして我々の母校横浜国立大学大学院 Y-GSA の先輩で浜松を拠点に活動している403architecture [dajiba] が設計を手掛けた空間が数件あります.
こちらは、ニューショップ浜松です. 403architecture [dajiba]の設計です. このお店のコンセプトは、「とても小さなお店の集まった、街のようなデパートメントストアです。」誰でも簡単にお店を持つことが出来る仕組みで、これから新たにお店を始めるスタートアップやクリエイティブな副業のアウトプットの機会など様々な発想で利用できるお店のあり方だそうです.
3.5寸の杉材を一本丸ごと使用した1マス100mm四方の什器を「敷地」に見立てて、個性的な「お店」が立ち並んでいます.
我々の前職のFUJIWALABOの模型とSUPPOSE DESIGN OFFICE 谷尻誠/吉田愛の模型も置かれていました.
浜松市内を中心に注文・分譲住宅の設計、施工販売を行っている幸和ハウジング株式会社とのコラボレーションのコンセプトハウスだそうです.最近竣工したみたいです.
国内外の新品・古着・リメイクウェアなどの揃うセレクトショップ SHHH です.こちらも403architecture [dajiba]の設計です. 入口中央に張り出した、コンクリートブロックと木格子が印象的なお店です.
KAGIYAビル は、地下1階から4階まであります.共用部等はかなり古く、そのままの状態が残っています.
こちらは、二階のBOOKS AND PRINTS です.写真家である若木信吾さんが故郷である浜松市にオープンした写真集を専門に取り扱う書店です. 書籍の販売だけではなく、トークイベントや展示も開催していまるそうです. 大塚君の写真集DRIFT WOODも販売されていましたよ.
4Fギャラリーでは、マガジンハウスにて『BRUTUS』、『ku:nel』などの雑誌編集、そしてコアなファンも多い『relax』の編集長も務めた岡本仁さんの展示ポラロイド展「MY DAYS BEFORE INSTAGRAM」が開催されていました.Instagramとポラロイドの関係性を展示しています.岡本仁さんは、現在 ランドスケーププロダクツに勤めているそうなので、我々のアトリエとご近所だったのですね.
その後は、万年橋パークビルという立体駐車場の7Fへ.立体駐車場の7Fの奥に何やら木製のボックス等が見えます.
ここは、CUBESCAPEという場所で、殆ど駐車のない立体駐車場の上階を利用して、駐車スペースの半分(2.3m×2.3m)の大きさを単位としたユニットを組み合わせアトリエやお店等として賃貸できる場所だそうです.ユニットは、天井と壁2面、すのこテラスが統一され、床の仕上げや残りの壁2面、ユニット内の電気設備は出店者で計画可能なんだとか.地方にはきっとこういった余ってしまった駐車場スペースが沢山あると思うので、これは面白い活用方法ですね.
今日のホテルは浜松城も見えました.周辺に大きな公園があって、緑いっぱいです.
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ポラロイド展「MY DAYS BEFORE INSTAGRAM」
会期:2017年4月21日(金)〜 5月15日(月) 13:00〜19:00(火、水、木曜休廊)
会場:KAGIYAビル 4Fギャラリー
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Soi 井上