1月7-9日の三連休はいくつかの用事があり、仙台へ出張に行ってきました.
まず一つ目は、前々から興味を持っていた主治医のような関わり方をしていこうという試みをまず南仙台で始めることになりました.さっそく現状の住まいの現調とお話を聞いてきました.この住まいは、建築条件付きの土地を購入し、昨年の秋頃新築したばかりなのですが、、、用意されたいくつかの選択肢の中から選択していくような設計手法で、少し変えるとオプション料金がかかってしまうという状況だったため、なかなか納得出来る住まいができなかったようです.
今回は、まず一通り現状の住まいを見せて頂きながら、現在の住まいの問題点や改善したい点等を聞き、お茶を頂きながら、詳しくお話をしたり、アイデアを話合いました.
この住まいの家族は、夫婦二人とお子さんが4人いるので、子供の成長に合わせて住まいがどう対応していくのかも大切な課題です.
家族の成長、変化に合わせて少しづつ住まいも成長していけたらと思います.
まずは今回頂いた要望をすべて検討し、設計と施工の見積を取ってから、工事のボリュームと時期を検討していきます.我々の設計の仕方として、設計のみに時間をかけるというより、プロジェクト自体に関わる時間を長くしたいと思っています.
空間とその使い手・作り手の成長に合わせて、少しずつ長く関わる建築家の在り方、家の主治医のような存在になれたらいいなと思っています.
二つ目は、こちらは中古で購入したお家で、夫婦二人と子供が一人の家族です.
子供が生まれ、新たな生活スペースの必要性に迫られ、中古の住宅を購入しました.擁壁の上に建つ住宅で可愛らしいアプローチなので、少し手を加えるだけでとても素敵な建ち方に変身しそうです.色々と雑談をしているうちに、こちらでも主治医として関わっていくことになりました!
お話を聞いてみると、住まいを変えたいなと思う一方で子育てをしながら、一度に改修するのは、時間的・経済的にも難しそうだという事で、改修を諦めていたそうなのですが、そういった状況の中で行った改修案件もあるので、問題ないというお話をしました.生活空間を作っていくという事に希望を持って頂けたようで、とても嬉しく思います.
こちらも、ゆっくり、少しずつ進めていこうと思います!
協働者である施主がまず楽しく、積極的である事は我々の設計において不可欠な要素だと思います.
そして打合せの後は、せんだいメディアテークで開催していた「畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景」を見に行ってきました.井上は大学時代に建築の卒業設計の日本一を決める大会であるせんだいデザインリーグを開催する学生団体である仙台建築都市学生会議に参加していたので、毎週水曜日の夜は、メディアテークで会議があったので、頻繁に通い、様々な方との出会いがあり、井上にとっては大変思い出深い場所です.
この展示は、我々の活動ではお馴染みの大塚敬太さんが展示計画で関わっています.前半部分は、石灰石鉱山や工場、都市のビル群や地下空間等今まで畠山さんが発表していたシリーズの写真が展示されています.
「川の連作」1993-1994 東京に流れる川の側溝ラインを合わせて様々な場所で撮影している作品、横から見ると上下二枚の写真のようにも見え、アイレベルのように連続する川の写真はとても不思議でした.
左 「タイトルなし」1998-1999 大阪 工事中と工事後の屋上の様子
/右 有名な「ブラスト」2005 です.連作の絵画のように見えます.
「光のマケット」1994-1998 白と黒の明暗の差を活用しているのか、写真とは思えない、本当にそこで光っているような写真でした.
2011年に起こった3.11をきっかけに被災地を撮影し続けている作品です.
以前に拝見した映画『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』は、震災後の畠山さんのドキュメンタリー映画なので、合わせて見るととても分かりやすいです.畠山さんは実家が陸前高田にあり、震災があったときは、東京で活動していました.
宮城と東京の写真を撮り続けることで、「被災地」と「被災地ではない」というものの境目は何かということをずっと模索していたそうです.ここでは、被災地で撮影されたコンタクトシートが時系列にずらーっと並んでいるとても迫力のある展示です.
最終日だったこともあって、たまたま会場で仙台建築都市学生会議の後輩やお世話になっていたメディアテークのキュレーターの清水さんともお会いできました.やはりメディアテークはいつ来ても面白い場所です!
その後は、仙台に行ったら寄ってみたいなと思っていたお店sendai coffee standへ行ってみました.
丁度、お茶会を開催していて(事前予約制みたいです)コーヒーのように煎茶の入れ方によって違う味を出していました.その横で、チャイとティラミスを頂きながら、勝手に全工程を拝見していました.終了後にお話を聞くと、共通の知人もいたり、興味を持っていることが繋がっていたりして話が盛り上がり、そのまま仙台の植栽、造園家のスペシャリストのお二人もご紹介頂きました.仙台でのお仕事は勿論、東京でも何か一緒にやりたいですねというお話で盛り上がりました.
類は友を呼ぶというか、様々な方からのご紹介や我々の興味の拡がりから面白い活動をされている方々と出会えて、仙台での活動も充実したものになりそうです!
定期的に仙台に行くので、またこちらにもお邪魔して、何かしらご一緒出来るプロジェクトを企画していこうと思います!
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「畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景」
会期:2016年11月3日(木・祝)-2017年1月8日(日)
開場時間:11時から20時
会場:せんだいメディアテーク 6f ギャラリー4200
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sendai coffee stand
住所:宮城県仙台市青葉区国分町1-3-12 スキャンダルビル 1F
営業時間:火曜日ー土曜日11:00-20:00
日曜日 11:00-19:00
定休日: 月曜日
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Soi 井上