東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻の演習課題発表展が BankART Studio NYKで開催中とのことで、見に行ってきました.(友人のカメラマン大塚敬太さんが東京藝術大学大学院に在籍しています)
久々の横浜とBankART
道中は、東京と横浜での生活の違い、都市の中心や捉え方について大和田と話しながら会場へ向かいました.
この展示は、修士一年生の前期演習課題の発表(半年間で5人の担当教授の演習課題が用意されているそうです、、、、超ハード!)と修士二年生の修了制作中間発表が会場内にゾーニングされ配置されていました.
この半年間、時々大塚くんと会って、学校のことやそれぞれ今考えていること、読んでいる本、横浜の歴史や面白い場所等、いろいろと情報交換していて、断片的に課題の内容も聞いていました.
会場の中は、濃密な思考の結果というか重層した思考のほんの一断面のような作品が散在していました.
そのとても実験的で、未完成な、何かをつかんでいるような、何もつかんでいないような、可能性の塊のようなものがたくさん転がっていて、(作品によっては見る際に多少の説明が必要ですが、、、)とても楽しく体験することが出来ました.
これらは、畠山直哉教授の「メディアアート特別演習」課題で「カメラオブスキュラの制作とイメージの定着」という課題で、カメラの構造/原理を前景化させたオリジナルカメラオブスキュラ(あるいはプロジェクター)を作り、そこから生まれるイメージを各々のやり方で定着させるといった内容の課題です.
左2つの作品は、合板で囲われた部屋の中の密閉された怪しげな箱に、頭を突っ込む(自分に向かってたくさんの光源があり、とても眩しく、、、暑い!)すると箱に空いた小さな穴から自分の顔が外側に投影されるというもので、カメラの原理を大変ユーモラスに理解できる作品でした.
右の作品はペットボトルを黒いテープで内部を真っ暗にし、小さな穴をあけて写真を取り、
中に液体を入れ、その中で写真を現像していくというものです.
カメラと暗室、撮影から現像までが一つの容器でできるという面白い作品です.
左の作品は、蓋を上げるとフラッシュが焚かれ、写真を取られるびっくり箱?のようなもの.
(どんな顔で写っていたかは、分からない、、、)
右の作品は、立方体の箱(=カメラ)の中に窓のある部屋を投影させて撮影している.(カメラが入れ子になってる!)
箱(もしくは部屋)は単純な立体ですが、箱の中で逆さまに結像している窓のある部屋の風景は、微妙に歪み、知っているような、初めて見るような不思議な空間に見えます.
窓のある部屋=カメラ(カメラ・オブスキュラは、「暗い部屋」
かなりの見応えとボリュームがある展覧会で一通り見るのに2時間くらいかかりました.
(中にはずっと人が並んでいて見られなかった作品もありますが、、、、)
外のテラスで少しお茶をして
大塚くんにお願いしている5つの床の竣工写真について打合せをしました.
竣工写真といっても、所謂、建築写真家が撮る完成後の写真ではなく、
解体前後や現場の途中、職人さんや仮住まい中の施主家族も撮影してもらうような記録・ドキュメントとしての竣工写真をお願いしています.
本日見せて頂いたような、とても実験的な写真もしくは映像で、
これからの施主家族の生活や我々の創作の一つの可能性となるようなものを撮って頂ければと思っています.
次の土曜日に一度現場に来て頂けるとのこと.
いよいよ、様々なことが同時に動き出します!
Soi 井上