青木淳事務所を独立されたB1Dの宮内義孝さんとCaruso St John出身の大場徳一郎さんが設計監理を行った住宅のオープンハウスに行ってきました.
渋谷区富ヶ谷の住宅地 旗竿敷地に建つ住宅です.
旗竿敷地にも関わらず、とても開放的で
わずかな角度の変化や空間のずれから生まれる開口部のあり方が、
建て詰まったあまり良好とは言えない環境の中でも
周辺との関係性を紡ぎ出していて、大変素晴らしい建築だと感じました.
1Fは玄関と倉庫、施主が開催するキッチンスタジオのためのお部屋です.オフホワイトの空間です.
2Fは書斎とセカンドリビング、水廻り.
書斎と中央のホール空間は、すべてグレーブラウン色の建具または収納の扉となっていて、
慣れるまで建具と収納の扉を間違えてしまいそうだなと思いましたが、廊下壁面が全て一定のパネル割りとなっているので、とても緊張感のある空間になっていました.
セカンドリビングの方は、コンクリート打ち放し(塗装はしているようですが)の吹抜け空間です.
アルミアングルを使った見切りが壁側でなく床側についていました.壁がストンと落ちて、壁につけるよりもすっきりとした印象を受けます.
階段は職人さん泣かせの凝ったティールでした.
3Fは大きなワンルーム空間で敷地の傾斜している方向に対して、大きな開口があるとても気持ちのいい空間です.
ベランダの開口になぜ袖壁をつけたのかと宮内さんに伺ったところと、一つは、外から見た時に洞窟のような見た目にしたかった事ともう一つは、袖壁がないとサッシより内側が室内の空間と捉えてしまうが、ベランダの際に袖壁を着ける事で、袖壁までが一つの空間と認識できるという答えが返ってきました.なるほど!
外構もとてもきめ細やかな設計をしていました.
写真の左側の塀は、実は、設計した建築側の敷地で、わざと既製品を使い周囲の塀と合わせる事で、隣の敷地に属するように見せているそうです.
新しい建築が既存の環境に介入していく面白い方法だと思いました.
そして玄関向かいの隣地の擁壁がとても素敵でした.
レンガが菱形の固まりのように積まれています.
既存のもの/設計されたもの/
Soi 井上