riyouの1Fスペースについて最初の提案を行いました.
1/50の模型を持って打合せです.
一番最初の提案時は、「気に入ってもらえるかな、、、」といつもドキドキしています.
コンセプトや考え方、平面計画や工事スケジュール等を打合せしました.
提案を少しご紹介します.
まず、ブランドの名前でもある”余白”という概念について考え始めました.
余白はそれ自体では、意味が成立しない相対的なものです.
例えば、図と地のように、Aとそれ以外(Aインバース:Aの補集合)という関係性の上に成り立っています.
建築において余白というのを考えると、
広場や空き地、建物と建物の隙間などのvoid(空隙).
建築の納まりで予め計画しておく寸法的余裕のclearance(逃げ).
または,キッチンや水回り、寝室や書斎等のfunction(機能空間)に対して、リビングや廊下、土間や庭などの可変的・流動的な使い方をするafunction(無機能空間)
これらは単体では成立しない空間ですが、
都市や建築、生活や使い方を豊かにしていくために、とても必要な空間です.
riyouではそうした余白の概念を複合的に捉え、
“連動する余白”という概念を空間化することを考えました.
riyouのビルは道路に面した4階建(A棟)と敷地奥にある3階建(C棟)が渡り廊下状の建物(B棟)で繋がった形式をしています.そのため、A棟=Shop/C棟=Galleryとそれらを繋ぐ通路(B棟)といった使用方法が必然的に決まってしまいます.
そこで、この空間に 余白の空間 を挿入していきます.
壁からの逃げ(clearance)を取ってフレームを配し、同時に中央の何もない空間(void)をつくります.通路だったB棟がA棟、C棟に侵食していく形でvoidとclearanceを作り、機能空間にも無機能空間にも成る状態とすることで、様々な使い方ができるような形式へと変えていきます.
挿入した余白の空間が機能を持つための拠り所となるフレームをつくります.
フレームは木とスチールでつくることを想定していて、ハンガーラックになったり、棚の支持材となったり、布を掛け簡易的な間仕切りとして、倉庫や試着室としても利用可能です.
ここでは、空間を作りこむというよりは、拠り所となる環境を整えて、使い手が創造性を発揮できる場をつくりたいと考えています.
このフレームは屋外空間まで連続して出てきて、外部用の立体的な看板や商品を飾れるスペースとなります.void部分の天井は、建築工事で水平や位置出しのガイドとして使用する水糸を利用して柔らかく可変的な天井を作ります.
プレゼンテーションした提案を気に入って頂けたので、これから具体的に工務店の方と作り方を検討していきます.
打合せの後は、yohakuで現在進めている服作りのお話を色々と教えて頂きました.
次回のコレクションに使用する生地サンプルやシルクスクリーンで絣(かすり)にプリントをしたものも見せて頂きました.
われわれSoiも、ユニフォームやワークウェアの製作、販売をするという企画をご相談し、新たなプロジェクトとして動き出します!
これから計画、施工とどんどん進めていきますが、
工事期間中、yohaku展示会(5月初旬)も挟む予定です!
設計→施工(1期)→ 展示会! →施工(2期)→竣工・ギャラリー使用開始
というちょっと変わった流れでプロジェクトが進みます!
工事期間中の建物を使うというのは、とても面白い発想ですね.
その時にしか出来ない不思議で刺激的な展示会になると思います!
Soi 井上