本日から浜松まつりが開催されるので、浜松に戻る日です.朝一で駿府教会に寄ってきました.本日は入り口がオープンしておりました.
入るととても静かで美しい光が優しく降り注ぐ空間に包まれます.室内の壁の木材は、上部に行く程、幅がだんだんと細くなり、トップライトから降り注ぐ光と木造の架構が透けていきます.井上は、大学院時代(大凡7年ぶりくらい)に一度訪れた事があるのですが、当時は、雑誌でみた繊細な印象よりも裏側の木造架構の強さが気になってしまっていたのですが、、、あらためて今回訪れてみるとその透ける強い架構と繊細な光のバランスがとても良いなと思うようになりました.少しずつ考え方、感じ方は変化しているのですね.
そもそもこの空間は、天井高が約7.5m(梁天端で約9m)、平面的には約9m四方(外寸で10m四方)あるそうで、通常の木造の柱・梁で支えうる大きさを超えているので、トラス材の柱・梁が採用されています.それにより壁厚は約750ミリという、、、、通常の木造の壁厚の6倍近い厚みを持っています.その壁厚を利用して複数の遮音材・吸音材を積層させ、屋外からの騒音を遮断し、かつ屋内の音響状態をコントロールしているそうです.
エントランスの引戸は、扉勝ちとして振れ止めを天井にひっかける形式になっていました.
壁上部の糸のような細さになる木材を切れる(通常は細く切ると反りが発生していまします)とても腕の良い大工さんがいたそうなのですが、職人気質でとても頑固な方だったようで、大良さんが現場に来ると帰ってしまうので、いない時を見計らって現場に行っていたんだそうです.
午後は、浜松まつりを見学する為に浜松へ、市内中心部では、御殿屋台の引き回しが始まっており、町中がお囃子と「おいしょー!」というかけ声で賑わっていました.この浜松まつりは、初子の誕生を祝うもので、子どもたちの健やかな成長を願って、地域みんなで祝いあうお祭りです.
「練りは、20時過ぎだから、そのぐらいに実家に来てね。」というメッセージが大塚くんから届き、意味も良く理解しないまま、市街地から大塚くんの実家のある静かな住宅地に向かいました.
市街地で盛り上がっていた練りの一部が少しずつ住宅地に来るのを見て「まさかねー、こんな夜に住宅地に来ないよねー」とか話しながら向かっていたのですが、、、、本当に大塚くんの実家の前に練りが来ました!それぞれの町内で初子の家を巡って、練りを行う伝統らしく、本日は大塚くんの家の日だったそうです.最初に大塚家の玄関前でぐるぐるとみんなでお囃子に合わせ押し合いをしています.
練りが落ち着くと皆さんが地べたに座りだしました.何が始まるのだろうと見ていると、大塚家や親族の方々、練りの監督?さん達が皆さんにお酒やお食事を配り出し、その場で宴が始まりました.こんな祭りがあるのですね、、、、.かなりカルチャーショックを受けました.
宴が終わると用意されていた樽酒の鏡開きが始まり、その後親族→練りの方々が1人ずつ大塚くんから樽酒を頂きその場で一気吞みをします.最後は、余ったお酒を大塚くんが頭からかぶっていました.
その後大塚夫妻(赤ちゃんを抱いています)を肩車をし、そこを中心としてお囃子に合わせみんなで押し合いをした後に練りは去っていきました.この頃、大体22時くらいを回っていました.
市街地の御殿屋台の引き回しは少し形骸化しているなという印象を受けましたが、住宅地に来るこの練りの文化には本当に驚かされました.ここに浜松の地域性、人間性が垣間見えたような気がしました.
Soi 井上