浜松のプロジェクトを進めていく上で、浜松の街を見るのは勿論の事なのですが、浜松の方々のエネルギーの集まる浜松まつり(5/3-5開催)をぜひ見てほしいというお施主さんからの強い要望を受け、今回の出張は、5/4まで滞在することにしました.祭りまでの間一度静岡に移動しいくつか行きたかった場所に向かいました.
まずはずっと行きたかった浜松市秋野不矩美術館へ、静岡移動の途中に少し遠回りして寄っていきました.
最寄りのバス停で下車すると素敵な暖簾のかかった可愛らしい場所がありました.KISSA 山ノ舎という小さな喫茶店なのですが、大和田はこの名前に見覚えがあったみたいで、小走りでお店に入っていきました.
実は、このKISSA 山ノ舎ですが、東京R不動産の社員でもある中谷さん(出身がこちらなのだとか)がオーナーをしています.大和田は、FUJIWALABOの事務所引っ越しの際に中谷さんが担当していたこともあって、お知り合いだったみたいです.KISSA 山ノ舎の活動は以前から見ていたそうなのですが、まさかこの場所だったとは!と久しぶりの再会に驚いていました.店内は、この場所で有名な天竜杉をふんだんに使ってリノベーションされているそうです. 設計は、Atelier TenTenという地元の設計事務所がされているそうです.
浜松市秋野不矩美術館へまでの道のりは、結構坂がきついそうで、、、KISSA 山ノ舎で大きな荷物を預かって頂きました.小高い丘の頂上に建築が見えてきました.下から見上げると斜面に突き刺さる巨大な岩のようです.
アプローチは、山をぐるっと回りながら様々な植物を見ながら進みます.
アプローチの間の側溝のカバーは普通のコンクリート製のものでなく、木でカバーしてあります.擁壁も木でカバーしてあり、電柱も木製とレトロなかわいい電気がついていました.建築に合わせて、アプローチもしっかりデザインされています.
頂上につくと可愛らしい建築が見えてきました.左官の壁に勾配の大きな方形屋根の小屋が二つ食い込んでいます.
左側の小屋から美術館内部に入ります.ここは、大きな柱と小屋組みがとてもかっこいいです.
この美術館は館内に入るとまず下足を脱いで、スリッパに履き替えます.床は藁の交じった漆喰床です.展示室に入る前のフローリングの所で、一度スリッパを脱ぎます.展示室内は撮影禁止ですが、靴を脱ぐのは、展示室の床仕上げに特徴がありました.第一常設展示室には籐茣蓙が敷かれており、第二常設展示室には大理石が敷き詰められていました.作品を見ながら、足で感じる床の仕上がかなり印象に残っています.鑑賞の際に足の裏から得る情報がすごく多いというのは驚きでした.
二階へ行くスペースは、今までとまた違った空間で、コンクリート打放し壁にハイサイド、左は収蔵庫のようです.
二階部分の天井は、木のルーバーで上に配管スペース.こちらの開口部から入り口の吹抜空間が見れます.
ダイナミックな小屋組みと三角形のトップライト、トップライトにはさらに小庇もついていて、上手く光をコントロールしています.
トイレのピクトグラムは、コンクリートが掘込になっていて、漆喰で埋めた上に和紙が貼られています.手摺の足元は薄い石が笠木になっていて、細かいところが本当にお茶目です.
こちらは、アプローチから見えていたテラスです.杉林と天竜の街が見え、眺めが良いです.
手摺の板ですが、とても簡素な納まりをしていました.支柱に針金で留めてあるのみです.
その後は、とてもレトロで可愛い無人駅「二俣本町駅」で電車を待ちます.駅は、レトロで良かったのですが、やってきた天竜浜名湖鉄道の電車が大河ドラマの影響で戦国シリーズ感満載のカラーリングになっていて、とてもがっかりでした、、、、.
静岡に到着したらまずは、D&DEPARTMENT SHIZUOKAへ、大きな倉庫のような場所で眺めが良いです.
2年前益子に訪れた時にたまたま内田輝さんの演奏会で一緒になり、なんと同じ場所に宿泊していたことでお知り合いになった方がD&DEPARTMENT SHIZUOKAの店長をされているということだったので、いつかは遊びに行きたいなと思っていたので、念願の訪問です!
店内はとても広く、天井高もあります.そしてカフェも併設しています.
現在は、染色家の山内 武志さん(芹沢銈介のお弟子さんだそうです)の展示を開催しています.吹き抜けと入り口のガラスの部分に染色過程(左写真左より 型を糊で貼ったもの/染めたもの/糊を剥がしたもの/右写真 もう一度染めたもの)が展示されています.
店長の添島さんにたくさん生地を見せて頂きました.この青い生地がとても気に入ったので、明祥ビル+Soiプロジェクトのカーテンにいいなーと検討中です.
すっかりお店の閉店後も30分近く話してしまいました、、、.その後は、カフェでご飯を頂きました.
Soi 井上