『 NINOWについて 』

NINOW -Textile Japan in Progress- vol.2 1日目が終了した.

たくさんの方にご来場頂き、また、たくさんのお褒めの言葉を頂き、
このプロジェクトに関われて本当に良かったと思う.
1日目のプレゼンテーションタイムは、平日の昼にも関わらず、大勢の方々が集まった.

改めて”ニナウ”という彼女たちの活動名が素晴らしいと思った.

“担う”という意思の表明である.

どんなブランドのコンセプトより、どんな企業の理念より、信頼に足る.
だから我々は、全力で、全体重を預けて、創造に励めるのだと分かった.

201710月に開催されたvol.1では、
私たちが作っている!という今まで声にならなかった彼女たちの言葉が溢れ出して、涙が出るほど感動した.
我々は彼女たちの創造性に応えるべく、展示用の什器を設計した.
それから半年も経たないうちに、Vol.2の相談を受け、出展者が集まったSoiアトリエでのミーティングでは、
前回を超える熱量、”生地の力”を示そうという方向性を共有した.

前回より倍以上広くなった空間を、前回以上の熱量、密度で満たすという予算に似つかわしくない与条件である.
その与条件の設定から関わってしまったから止むを得ない.(幾度となく後悔した.)

2階のスペースには、前回の什器を引き継ぎ、生地を張り替えた.
製作は前回同様、横浜の若手大工LIUKOBOさんにご協力頂いた.
さらに、生地をもっと展示したい、商談用のスペースも欲しい、ということで、
ハンガーパイプ付きの打合せテーブルを設計・施工までSoiが担当した.

既成のテーブル・出来合いのハンガーラックを借りれば済む話なのだが、
そんなことをしたら、よくあるダサく・業界的・排他的・内輪で・ビジネスライクな展示会となんら変わらない.
創造性のかけらもないし、協力してくれている方々、出資してくれている方々、期待してくれている方々にも失礼である.

搬入日の朝まで、ディテールを練りに練って、
モックアップ(1/1のスタディ)をインターンの秋山さんと一緒に作り、試行錯誤して完成させた渾身の什器.
しかも6台!(※弊社は家具工場ではありません)


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階は、各出展者100枚ずつの生地サンプル計600枚が並ぶ圧巻の展示空間.
まるで美術館のようだと来場者の方々から感想を頂いた.
それは恐らく、全体のサイン計画・キャプションを担当してくれた02library吉本さんによるところが大きい.
吉本さんには他に、キービジュアル、DM、パンフレットの制作もご協力頂いた.
織物を感じさせるマジカルなビジュアル. 毎度、予想の斜め上をいく創造に脱帽.
もっとハードルを上げて依頼したいと思う.


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階のスペースには、別の意図、メッセージも込めた.
(全ての人にちゃんと伝わっていないかもしれないが)

ただ生地を100枚ずつ並べた様が美しく、美術館のようではダメなのだ.
そこに並んでいるのは、紛れもなく素材としての情報でそこから構築が始まる.

作る人、使う人、川上、川下、そんな括りはどうでもいいから、
目の前にある可能性に満ちた素材から新たな創造を始めて欲しいと思った.

彼女たちだけに、担わせてはいけない.
創造の楽しさを皆で担うのだ.

Soi 大和田